Yayga!

イェイガ!(Yay!+映画)- 叫びたくなるような映画への思いを書き殴ります

悪ノリをやめたい

本日はお日柄もよく、映画から脱線した話をしたいと思う。

題名の通りなのだが、私は悪ノリがひどい。悪ノリというのか、真剣にならなければいけないときほど、場を混ぜっ返したりしてしまう。「そんなに深刻になっても解決しないよ?」と周囲の緊張を解きほぐそうとか、先陣切って余裕を見せなければとか、そんな意識から来るものなのだが、多分、生真面目な人からは嫌がられると思う。

以前、娘が私設の保育園に通っていたときのこと。園長が「ほっしゃん。」(旧)に激似だった。その園長が、年度が変わるか何かで保護者の前で挨拶することがあり、第一声、「保護者の皆さま、いつもきちんと保育料を支払って下さり、ありがとうございます」と言った。

当然ジョークだと思った私は、「あーはっはッは!」と声を出して笑ったのだが、笑ったのは私一人だった・・・。

 

少し前には、娘が通うサッカークラブで試合があったときのこと。若いコーチ陣のリーダーが何というのか、外見はサッカー少年がそのまま成長した感じなのだが、中身がゆるキャラのような好青年で。時に指導に熱中するあまり周囲が見えなくなるが、人柄の良さがカバーして熱さが鬱陶しく映らない。話し方がちょっと舌ったらずなのも可愛らしい。私は、このコーチの喋り方をマスターし、日々、娘に「コーチがいつも言ってることがみっつあります」と真似をしてはイヤがられているのだが、さて、試合の後に、コーチから子供たちにお話があった。

「コーチがいつも言ってることがあります。それは、お父さんとお母さんに感謝すること。」と始めたコーチが例によって舌ったらずな熱の入った口調で、「お父さんお母さんが、汗水垂らして働いてくれるおかげで、皆ユニフォームや靴が買えるんだよ」と続けたもので、私はツボって「うーふっふッフ!」と爆笑した。が、誰一人笑っていなかった・・・。

夫からは後で「あんなに笑うやつがいるか」と言われた。

 

また、つい先日のこと。仕事が全面的に在宅体制になるに当たり、部長と部署のメンバーと社内チャットでやり取りをしていた。部長が「部署から一名は出社することになった」と書くべきところを「部署から一命」と誤字をしたが、誰もそれに触れないまま話は進んだ。ついに我慢が出来なくなった私は、「『一命』はシャレにならないでしょー!」と書いた。すると部長は「あ・・・申し訳ありません、不謹慎でした」と。

 ・・・。


そこはさ?うまくノるべきではないのか?言った私が鬼みたいじゃない。
冗談が分からない奴だなッ( ゚д゚)、ペッ

まあ、上記の件は割とどうでもいいので、本題に行きたいと思う。

 

 

◇本題

同じチームの二十代の女の子が、滅多にお目にかからないほど賢くて美しいコだ。すらりと背が高く、構わない服装やノーメイクの時も多いが、それすらいいなと思わせてしまう。コミュニケーション能力が高くて、英語が堪能。人懐っこいが媚びは一切なく、若干男勝りでパワフルで、意外にずぼらな感じがまた愛らしい。

ふんだんな愛情と教養を与えられて育った人間というのは、ここまでコンプレックスと無縁になれるものなのかと感心する。

彼女は二年前にうちの部署に異動してきて、私とすぐに仲良くなり、ランチに行ったり、誕生日にはプレゼントあげたりと楽しい関係を築いている。そんな中で、先日起こった話です。 

彼女から、営業(29歳男)と私にメールが来た。↓こんな感じ。

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>●●ぱいせん
押してた甲斐があって、○○社から依頼来ました!

>やなぎやさん
私はまだ対応出来ませんが、勉強したい気持ちはあります。やなぎやさん主体で進めてもらって、私も訪問に同行させて頂いていいですか?

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私は、いつも真面目な彼女が仕事を取って浮かれてるのがカワイイなと思い、私にパスしてもいいのに自分でやろうとするのも嬉しかった。「『ぱいせん』てなんだよ」とおかしくて、これは突っ込まねば、と以下のようにメールを返した。


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「ぱいせん」にイラッとしました。

さて、アポの件ですが・・・(以下略)

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で、そのまま昼休憩に行った。
・・・ここまで読んで頂いた方は、この後、何があったか分かりますよね?
いま改めて見ると、なんて恐ろしい文章なんでしょう。

私は職場で、指導はするし注意はするが、感情的にはならないよう気を付けている。社歴が長い人間として、下の人間にはとにかく声をかけているので、為人は分かってもらっているし信頼もしてもらっているという油断があった。

昼から帰ってくると、彼女が席にいて、昼を取った様子がない。すぐに神妙な顔で立ち上がり、「やなぎやさん、ちょっとお話いいですか?」と言われた。
なんだなんだ、と思いながら、言われるまま後に続いた。

彼女は会議室に入ると、しっかり私の目を見ながら、「仕事上であんな言葉使いをして申し訳ありません。受注が取れて浮かれてしまいました」と頭を下げた。

 

・・・ん?

・・・え?

 

混乱した私は、やがて、床に叩きつけられるような気がした。

 

「ぱいせん!?もしかして、ぱいせんのこと!?」

 

会議室で「ぱいせん」を連呼。
その後、慌てて、冗談だったと説明したことは言うまでもない。

彼女は「本当ですか。。。」と強張りを解き、
「私の受け取り方が悪かったんです。メールを送ったあと、あ、ちょっと砕けすぎたかな、と後ろめたい思いがあったので、覚えがあるところを指摘された気がして。やなぎやさんと仲の良いことに、甘えて過ぎたかなとも思って」

彼女の目は、ホッとしたせいで、ちょっと潤んでいる・・・。

 

うあああ、ごめんごめんごめん。
私は自分が冗談耐性が強いために、どこまでも悪ノリしてしまうところがある。親しい人間に好意を示すとき、いじり倒すような絡み方をしてしまい、相手には冗談でなく本気に捉えられてしまったということが、あったでしょ、これまでも!ばかばか、わたしのばか!

それにしても、職場で絶対泣かないタイプの子が、こういうことで目を潤ませるのかぁ。昼も食べずに。まずメールで返信して私の反応を探る、ってテだってあったろうに。怖いだろうに、メールで済ませず面と向かって解決しようとする、そういうところだよね。

とか考えたら、もう、申し訳ないやら、かわいいやらで。

私たちは手を取り合い、「ごめん~」「いえ、わたしこそ~。よかったです~」と会議室で騒いだのでした・・・。

ホントにね、調子に乗らない!親しき仲にも礼儀あり!