Yayga!

イェイガ!(Yay!+映画)- 叫びたくなるような映画への思いを書き殴ります

『RE:BORN リボーン』

f:id:yanagiyashujin:20201013161540j:plain

監督:下村勇二 キャスト:TAK∴(坂口拓)、斎藤工/2017年

 

皆さん、こんにちは~。今日は真剣だから前書きを抜かします。前書きだけ読んで、私が一生懸命書いた本題の映画の感想を読まない人(※弟の嫁)とかねえ、失礼ですよホントに。「お姉さん、前書き面白かったです~」「あ、独立なんとか隊は私ちょっと、、、うふふ」じゃないの。

てか、今日は坂口拓回なんで。坂口拓に興味ない奴は今すぐ帰んな。

嘘です、お願い読んでって。読者登録もやめないで。

 

 

◇じゅんびうんどうだよ!

私も一応それなりに映画を観てきているので、まさか島国の一角でスタッフと出演者は大体身内か友情出演(多分)、アクション大好きな仲間内で撮られた映画が掛けた予算を凌ぐ出来だなんて思っていない。だから失礼な言い方だけど、めちゃくちゃハードル下げて観たっていうか、すみません、フロで観ました。で、結論から言うと、思ったより全然よかった(*´▽`*)
少なくとも、波長が合わない大作話題作『ミッドサマー』などのクソ退屈な映画)より数倍楽しく観られた。

ただ・・・上述の通り「身内で作られた映画」なわけだ。そのため、この映画を観る前にはいくつか把握しておいた方がいいことがある。

<TAK∴= 坂口拓について>
イカれたアクション俳優であることは以前『パッチギ!』の記事で触れたので、その後に入手した情報を紹介するよ!

・職業:現代忍者(ニンニン!)
・ウェイブマスター(※後述)
・すっごいお茶目でいい人、かなり頑固
YouTubeで料理が得意だと言ってカレー作ってたけど、私はあのカレー食べられない(※市販の豚骨スープにカレールーぶちこんでた)
ジョン・ウィック3』のオーディションに呼ばれ、当然英語を求められたが、すべて日本語で押し通した(結果、ご縁なしとなった)
・お嫁さん募集中
NHKの大河への出演を狙っている

 

<ウェイブとは>
肩甲骨を360度回転させることで生み出す体内エネルギーによる波動攻撃、または攻撃をかわす技術のこと。100%出力すると受けた相手は死ぬ。戦闘術・暗殺術のプロ稲川義貴が創始者であり、弟子の坂口拓は師匠以外ではただ一人のウェイブマスター。

『RE:BORN リボーン』のアクションもウェイブが基本なので、知らん人は、坂口拓や敵役が突然中腰になってグーリグリグリ・・・と肩甲骨を回し出す画には戸惑うこと必至。なので、あ、これは普段から彼が世に発信し続けている戦闘技術の構えなんだなとご理解頂ければ思います。もし、あなたがこの映画を観るなら。私は勧めていないけど、もし観るならば。

それから、この映画の主人公は弾丸を避けられます。そこんとこ、よろしく。
じゃあ、本題に行ってみよー!ニンニン!

 

f:id:yanagiyashujin:20201013162718j:plain

坂口拓の貌は、ハリウッドの好む綺麗なアジア人の顔だしキアヌと闘っても見劣りしないと思う。キアヌの方が、ウェイブに興味持って弟子入りしてきそう。。
 

 

◇あらすじ

かつて最強の傭兵部隊に所属しながら、特殊訓練の最中に自らの手で部隊を壊滅させてしまった敏郎。現在は石川県加賀市のコンビニで働きながら、少女サチとひっそり暮らしていた。そんなある日、町で不可解な殺人事件が起きる。それは、敏郎が壊滅させた部隊の指揮官ファントムが発した、敏郎への警告だった。(映画.com)

日本で傭兵部隊って・・・。ねえ?
まあ、要はだね、世界の紛争地帯で暗躍する特殊部隊があって、過去坂口拓(以下拓ちゃん)は部隊に所属する伝説の暗殺者であったと。ただ、そこのボス(なぜかスネークこと大塚明夫)が子供たちを洗脳し戦士に仕立て上げていることを知り隊を離脱、そのとき救い出した一人の少女を育てているが、部隊からは裏切り者として追われているっと。以上!物語はこれ以上でも以下でもない。

出演者は割りと豪華。既述の大塚明夫は、『METAL GEAR SOLID』のスネークそのまんまのスタイルで出ているので流すとして(?)、そう、斎藤工。昔、拓ちゃん演じる敏郎を庇ったために視力を失うが、それでも彼を慕い続ける盟友として工が出てるよ。やっぱりねえ、安心感ある!ちゃんとしてる。
これが映画初出演となるサチ役の近藤結良ちゃんは愛らしくていい子役だと思った。

 f:id:yanagiyashujin:20201013164722j:plain

 

過去に傷を持つ男と少女の、ささやかで幸福な生活を送る様子がベッタベタに描かれた後、大塚明夫が襲撃を仕掛けてくるあたりから物語は展開を見せる・・・。

 

◇刺客その一、ロック:いしだ壱成

予想通りのベッタベタ具合を生ぬるい視線で観ていたが、観光地のど真ん中で殺意を感じた拓ちゃんが、人波越しにいしだ壱成を見とめるところから始まるシーケンスは面白かった。周囲の誰も気づかぬうちに行われた勝負は数秒、それを表現したテンポのよい編集が良い。

拓ちゃんは背後から銃を突きつけた別の刺客の首を捻って銃を奪い、いしだ壱成の方へ歩みながら鮮やかに銃を分解する。弾倉から指で一つずつ弾き出された銃弾は、道行く人々が知らずに蹴り飛ばしていく。いしだ壱成が発砲した弾は避けられて通行人のバッグに当たり、だが人々は何がぶつかったのだろう?と首を傾げるのみ。三発の銃弾で標的を倒せなかったいしだ壱成は、拓ちゃんが弾の代わりに撃ち出したペンで首を貫かれて絶命する・・・。

 

f:id:yanagiyashujin:20201013163452j:plain

特別出演のいしだ壱成さん。

 


◇刺客その二、ニュート:篠田麻里子

麻里子様の登場シーンでは、カメラはまずミニスカからすらりと伸びる美脚を捉え、徐々に上へ上がっていく。一度目の襲撃場面とは打って変わり、場所は人気のない夜の電話ボックス。サチに帰りが遅くなることを伝える拓ちゃんを、麻里子様がナイフで襲う。ここで、麻里子様の足越しに移る電話ボックスと、麻里子様が片方ずつヒールを脱ぎ捨てていくのはカッコよかった。激しく揉み合った後、電話のコードを麻里子様の首に巻き付けた拓ちゃんは、サチに「ごめんな、しばらく帰れないかもしれない」と話しながら、麻里子様の手にあるナイフでそのまま彼女の喉を切り裂く。

それにしても、麻里子様は電話ボックスの天井やらガラスに結構激しく打ち付けられていたが、大丈夫だったんだろうか。でも、本人こういうの好きそうよね。

あと、この後に店で弁当をレンチンしているときに襲われて、倒した瞬間に「チーン!」って温めが終わるところと割り箸での反撃は面白かった。普段から拓ちゃんが宣言している「手近なもので敵は倒せる」ってやつね(日常で敵を倒す機会はそういないと思うが)。

 

f:id:yanagiyashujin:20201013163559j:plain

特別出演の麻里子様。

 

 

◇ウェイブ発動、そして監督求ム

この襲撃二連発で「あれ、面白いじゃない」と思ったわけだが、サチが大塚明夫に攫われ、一個小隊だの一個中隊だのが厳重に警備を固める森に仲間とともに乗り込んでいく当たりから、拓ちゃん&下村監督のやりたいことが悪い意味で炸裂。満を持してウェイブを撮るぜとばかりに、襲いかかって来る兵士をウェイブで倒しまくる。

主要人物は身内からキャスティングしている。見た目は子供だが凄腕の刺客キャスパーを演じているのは、拓ちゃんの一番弟子であるアクション女優。また、拓ちゃんを背後から不気味につけ狙う男は、かつて傭兵部隊時代に切磋琢磨した拓ちゃんのライバルかつ友人であり、そのため何も言わず姿を消した拓ちゃんに並々ならぬ執着心と敵愾心を抱いている(人物描写はほぼないので、代わりに補足しています)。この役を演じたのがウェイブの師匠の稲川義貴でさ・・・。

この人、役者じゃないからねぇ。出てきて喋った瞬間から「ん?」ってなる。ただ、ほら、ラスボスの大塚明夫の前に、一人強敵と戦うのがストーリー上の定石なわけで、そこで拓ちゃんとしては本気ウェイブで見せ場を作りたいわけで、そうすると同等に闘えるのって師匠だけじゃんっていう。ウェイブありきのキャスティグ。

森での戦闘シーンはやや長いものの、まだアクションを楽しむことができるのだが、サチが監禁されている建物に辿り着き、師匠との一騎討ちとなる場面はつらい。二人はウェイブ発動のために互いに中腰で肩甲骨をグーリグリグリと回しながら、たまにちょい、ちょい、と手を出し合う。なんだこの時間・・・。流石の私も「なんだこれ」と思った。擁護しきれないよ拓ちゃんを。師匠出すなよ、ド素人だから。師匠のせいで、間延びしてるしド退屈だよ。そんなふうに思われて師匠もかわいそうじゃんか。

そんな死んだ空間が1時間ほど続き(やなぎや体感時間/実際は5分ほど)、やっと師匠をぶっ飛ばすと、今度はスネークとの勝負が待っているのだが、ここもまあ取り立てて語るべきこともなし。襲撃シーンと森での戦闘に迫力があっただけに、尻すぼみ感が何とも残念。要は、ちゃんとした脚本家と、アクション監督じゃない監督が必要!多分、それでぐっと良くなる。

 

 

◇ただ、聞いてください

「身内で作られた映画」ではあるのだけど、決して「坂口拓のファン、ウェイブを否定しない人だけに向けた内輪映画」ではない(そこまで器の小さい人ではないと思う)。多分、拓ちゃんの目的は「本当のアクション」を世に啓蒙することなのだと思う。NHKの大河を狙っているなんて話も、役柄に自分を合わせる気はさらさらなく、むしろ自分のアクション啓蒙が成功し認められた上で、三顧の礼を以て迎えられたい、そんなマインドなのじゃないかな。だから、『ジョン・ウィック3』のオーディションも日本語で貫き通されたのだろうね・・・(自分が欲しいなら、そっちが字幕付ければいいじゃんとか思ってそう)。

熱く語っておいてアレだけど、私はアクションにそれほど興味ないし、ウェイブが如何にすごいのかの判断はつきません。

師匠完全にいらねぇってミスを除けば、作り手の熱意は伝わってくる映画だった。拓ちゃんの熱意は言わずもがな、監督の下村勇二は、ホンットに拓ちゃんのことが好きなんだろうなって感じね(でもアクション専門じゃない監督求ム)。私的には『ミッドサマー』より全然楽しめたよ。誰か『狂武蔵』観に行って感想教えてくれよ。じゃあ、またね。ニンニン!

 

f:id:yanagiyashujin:20201013164150j:plain

引用:公式サイトhttp://udenflameworks.com/reborn/